運送システムを使い始めてしばらくすると、出力される帳票をより使いやすくしたり、自社独自の形式にしたりと、そういった要望が出てくることが多いようです。
そこでシステムの開発会社に帳票の修正にかかる費用の見積もりを依頼すると、
「ちょっとこの金額だとなあ・・・」
と、想定外に大きな費用見積もりが提示されることも多々あるかと思います。
これは、ぼったくられているわけではなく、システムを修正する作業には、意外に人の手間がかかることが原因です。
お客様のご要望をうかがって、それを資料にまとめ、具体的にどのようにプログラムを修正するか検討し、修正プログラムを作成してテストを繰り返し、説明書を作成し・・・
と、実はやることがたくさんあるんです。弊社のブッキングブックも、システム本体をいじろうとすればそこそこ費用はかかってしまいます。
しかし、それではなかなか運送会社さんのシステム利用の満足度は上がらない・・・
そこで、私たちは発想を転換しました。
「帳票はなんでもかんでも、みんなが持っているExcelで扱える形式で出力するようにしよう」
ブッキングブックは配車や請求などの関わる日々の業務データを取り扱い、たくわえて置くのに集中。
帳票の印刷や修正などはマイクロソフト社の表計算ソフト、Excel(エクセル)にお任せしてしまおう、ということです。
それなら、お客様ご自身で自由に帳票の修正・加工ができます。
Excelと連携することで、システム本体を改修しなくても、帳票の独自加工(カスタマイズ、と業界では呼びます)が出来てしまうんです。
具体的には、以下のようなパターンで独自帳票化ができるようになります。
1)ごく簡単な加工なら、Excelに読み込んでささっと手で修正(費用ゼロ)
少数の帳票で、あまり手間のかからない修正であれば、たとえば月末・月初にまとめて手作業で行っても問題ありません。
文字の種類や大きさを変更したり、書式を少々変更したりというレベルであれば、無理に自動化する必要もないでしょう。
Excelの操作に慣れている方であれば、ソート(順番並べ替え)機能やオートフィルタ(例えば、ある荷主さんのデータだけ絞り込んで集計するなど、特定の条件でフィルタをかけて絞り込むもの)機能を使ってよりハイレベルなことも可能です。
もちろん、この場合は費用は特にかかりません。強いてあげれば、Excelの操作を覚えるために参考書を買うか、近くのパソコンスクールに何回か通う程度のコストでOKです。
2)毎回いくつかの操作を繰り返す必要があるなら、Excelのマクロ機能で半自動化(費用ゼロ)
ある程度の数の手順を踏んで加工する場合、例えば上記のソートやオートフィルタなどの機能を組み合わせて帳票を加工する場合は、Excelに備わっている便利な機能を使うことをおすすめします。
それは、マクロ機能と呼ばれるものです。その中でも「マクロの記録」というメニューが結構便利なのですが、これは一度記録開始ボタンを押して、Excelの操作を進めると、その手順を記録しておいて、後で再生できるようにしてくれるものです。
つまり、決まりきった手順であれば、毎回それを繰り返さなくても、Excelに加工する元のデータを読み込んでおいてから、マクロ実行ボタンを押せばあとは自動的にExcelが帳票を加工してくれるわけです。
これも、自分で行う作業なので費用はかかりません。この機能の便利さにはまって、どんどんExcelに詳しくなりたい、となったら追加の参考書が必要になるという程度でしょうか。
3)たくさんのExcelファイルをまとめて修正したり、より複雑な処理が必要になるなら、Excelのオートメーション化機能(VBAといいます)を利用(費用ゼロ~数万円)
上記のマクロの記録では、簡単な手順の組み合わせなら問題なく再利用できます。
でも、「もし~~の時は、XXXのようにする」といった条件の判断や、多数のファイルの一括処理、大幅な書式の変更などを行う場合は、よりレベルが上の機能を活用する必要があります。
それが、ExcelのVBAと呼ばれる自動化プログラムの機能です。
これはまさにExcelを自由自在に操作できるプログラムを書いて、例えばボタン一発で自動処理を走らせる、そんなこともできるものです。
一般にはあまり知られていませんが、Excelにはこのような高度な自動化機能が備わっているので、とても便利です。
このVBAという自動化プログラムの中身は、こんな感じです。
もちろん、お客様ご自身でプログラムを作ることもできますが、Excelの知識の他にシステムのプログラムを書く知識が必要になります。
(参考までに、他のサイトですがExcel VBA入門さんへのリンクを貼っておきます)
そこで、私どもブッキングブック社でもこのVBAプログラムの作成を請け負っております。ご興味をお持ちのお客様は、どうぞお気軽にお問合せください。無料で提供している標準VBAプログラムもございますし、よほど複雑なものでなければ作成費用も数万円、二ケタは行かない程度で収まることがほとんどです。
また、もしお客様がお付き合いのある開発業者様がいらっしゃるのであれば、もちろんそちらでVBAプログラムを開発していただくことも可能です。技術的問合せも受け付けておりますので、この場合もご遠慮なくお声がけください。